子どもが寒いか暑いかは、子どもの皮膚温や色を見て感じとることができます。
子どもを見るポイントがわかると、衣服や寝具もその子に合わせて調節できます。
子どもは寒い時、手足や顔が冷たくなります。これは、冷やされて冷たいのではありません。
皮膚の表面から熱が外に逃げないように、皮膚のすぐ下にある血管を細くして、血流を少なくしているから、皮膚の表面は冷たく、色も白っぽくなります。
からだの奥の血液の流れが保たれていれば、唇の色は赤く、爪の色はピンク色です。手や顔が冷たくても、元気に動いて、唇や爪の色がいつもと同じようなら、環境に合わせて調節できている状態なので、特に温める必要はありません。
例えば夏にプールで長時間遊んでいる時や冬に氷や雪で長時間遊んでいる時には、冷えすぎることもあります。体が冷えてくると、動きが少なく寒そうにします。さらに冷えすぎて震えるぐらいになると、体全体の血流が悪く、唇の色や爪の色が青くなってきます。冷え過ぎに気づいたら、すぐに体を温めると、回復します。
暑い時は、体の中に熱がこもらないように外に放熱するため、皮膚のすぐ下にある血管が広がります。
皮膚は熱く、やや赤くなります。
さらに暑いと、体の水分を外に出す、つまり、汗をかきます。
子どもが赤い顔をして汗をかいていたら、とにかく本人にとっては暑いので、服を減らすなど涼しくなるように調節し、水分も取るようにしてください。
眠っている時に暑いと、子どもは転がります。接地面が熱いので面を変えるようです。
しっかり寝返りする赤ちゃんのころから小学4年生ぐらいまでの年齢に多いです。
転がって布団からはみ出る子に早めに布団をかけると、子どもはまた転がります。
一晩中子どもを追いかけて眠れない話を時々聞きますが、転がる場合はまず布団を一段階薄手にしてください。
夏にタオルをかけても転がる場合は、もう冷え過ぎになることはないようです。
わが家では、明け方に私がふと肩が冷えて目を覚ますと、子どもも布団からはみ出ていて冷たくなっているとがありました。
寒いとじっとしているので、そこからお布団をかけるとちゃんと着てくれます。そのぐらいで十分です。
0歳児で心配な場合は寝返りしても布団から出ない寝具を使ってもいいと思います。また住宅が昔ながらの木造建築の場合はよく冷え込みますので、気をつけてください。
ドアや窓がサッシの場合は気密性がいいので、それほど冷え込まないはずです。
猛暑の夏はどの段階から冷房を入れるかが、気になります。
起きて汗をかいているなら、風を直接当てないようにして扇風機か冷房を使った方がいいでしょう。
熱くて転がっていてもよく眠っていたら、そのまま様子を見るか冷房を入れるかは、ご家族の判断でどちらにしてもいいと思います。
眠り初めなどにびっしょり汗をかく子もいます。
元気で毎日同じように汗をかく子は、それによって深部体温を下げ熟睡するといった調節をしているようなので、心配はありません。
汗をそのままにしておくと冷えるので、先にタオルを当てておいて、汗をかいたらタオルを抜き取るようにすると、パジャマを替えるより簡単です。
環境に合わせた血管や汗腺の反応は、自律神経が調節しています。寒いときや暑い季節にエアコンのきいた快適な環境にずっといると、血管を調節する必要がなく、汗をかく力は成長しません。
極寒や炎天下は避けた方がいいですが、生後数か月を過ぎると、調節機能は備わってきます。
冷たい手になることも汗をかくことも子どもの自律神経をほんのちょっと鍛えることになり、親はその様子をよく見ておくと、子どものことがよくわかるようになります。
次回は、
「4.おなかの変化も感動的」を説明します。