熱中症が心配な季節になりました。
日本は四季の変化が楽しい国ですが、夏に向かって気温や湿度が上がるとヒトの体の調整が追いつかなくて、6月ぐらいから熱中症が増えます。
暑さに対して、体は熱がこもらないように放散し、汗をかいて体温を下げるように自律神経が働きます。この調節能力は、使うことでよりスムーズに働くので、だんだん暑さに慣れた体に変わり、熱中症のリスクは下がっていきます。
子どもは余力がないので、例えば夏にエアコンが切れた自動車の中に数10分いるだけで熱中症の危険性は高まります。
体に熱がこもり、脱水状態となり、塩分のバランスが崩れ、血液の循環に悪影響が出ます。脳の働きや内蔵の動きも悪くなります。とても危険です。
しかし、熱中症で死亡する人の約8割は65歳以上で、赤ちゃんや子どもの死者数はごくわずかです。
子どもは体温調節の変化が現れやすいので、すぐそばに誰かが居てよく見ていると、ひどく悪化する前に対処できているのだろうと思います。
もっと早く熱中症未満で済むように、また体が暑さに慣れるためにも、暑いときの変化をよく見ることはとても大事です。
子どもは、暑いと真っ赤な顔をして、手も足も暑くなります。体中から熱を外に出している状態です。
汗もかきます。
「暑い!」と体で訴えている状態なので、屋外であれば木陰や冷房のきいている場所に連れて行きます。
室内では風通しをよくしたり、冷房で温度調節をします。
水分はイオン飲料がいいですが、もともと元気で暑そうな場合はとりあえず麦茶やお水などでもいいので飲ませます。0歳児は母乳やミルクでいいです。
涼しくなって、飲み物を飲めて、顔色が戻り、笑顔が見られ会話がいつもどおりであれば、大丈夫です。
遅れて熱中症の症状が出ることもあるので、翌日の朝ぐらいまでは、元気さと顔色がいつもどおりかよく見るようにしましょう。
幼稚園から小学生へと成長すると、屋外で走り回って暑くなる場合もあります。このぐらいの年齢になると、夢中になったり気持ちで頑張って、気がつくとのぼせたようになっていることもあります。対処方法は同じですが、しっかり休むように周囲が強く進めましょう。
暑い環境なのに、体が熱く感じられない・頭だけが熱くて手足が冷たい・汗をかいてないか冷たい手足を触るとじっとりと汗を感じるといった場合は、体が暑さにうまく適応していない可能性があります。
以下の症状が見られたら、応急処置をして、すぐに受診しましょう。
次回は、
「4.嘔吐 ~新生児期の赤ちゃんの場合~」を説明します。