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2024.09.20

令和6年度第33回日本外来小児科学会年次集会:頭部打撲を主訴とする電話相談の分析

第33回日本外来小児科学会年次集会に参加しました

今年は、当会員からは(大阪府小児救急電話相談員)松本雪子さん(発表者)、松尾千加子さん、チェスター綾子さんの3名が学会に参加しました。

第33回日本外来小児科学会年次集会
2024年9月7日(土)
会場:高山市民文化会館・高山グリーンホテル

頭部打撲を主訴とする電話相談の分析
特定非営利活動法人小児救急医療サポートネットワーク
看護師1) 医師2) 
松本 雪子1) 松尾 千加子1) チェスター 綾子1)  廣岡 由紀子1)
福井 聖子2)

目的
大阪府小児救急電話相談(以下#8000)は、毎日19時から翌朝8時まで15歳以下の小児に関する電話相談を行っている。相談内容は発熱など内的要因の症状が約7割を占めるが、外傷など外的要因の症状も2割を超える。今回は、外的要因の中で多い頭部打撲を主訴とする相談について報告する。

方法
2022年度大阪府#8000への頭部打撲を主訴とする相談について、年齢・時間帯・受傷から電話までの時間・相談のニーズ・症状・対応について集計し、対応別に比較し検討する。

結果
2022年度の全相談件数73075件のうち頭部打撲の相談は5479件(7.5%)であった。年齢は、0歳代が最も多く34%を占め、0歳から1歳代で全体の58.4%を占めた。相談時刻は19時~23時未満の時間帯で80.8%と多いが深夜帯でも相談はあった。受傷から電話までの時間は受傷後1時間未満が72.2%と多く、他の症状を伴わない場合が87.9%であった。相談のニーズでは「受診について」が77.8%であった。対応は「自宅で経過観察」が82.5%と多く「すぐに受診を勧めた」のは17.5%であった。相談にかかった時間は5分未満が72.8%と多く、ほぼ全例の98.5%の相談が10分以内であった。

考察
大阪府#8000で対応する頭部打撲の相談は1日平均約15件である。保護者は頭部を打撲した際はすぐに受診が必要と考えており「受診に関して」の相談が多い。相談員は頭部打撲の状況や相談時点での様子を聞き取ることで、客観的に状態を把握している。必要時は受診を勧める一方で、多くは受診の目安や受傷後48時間の注意すべき主な症状を助言することで、保護者が子どもの様子を冷静に観察できていると考えられる。

演題発表後は小児救急電話相談(#8000)事業についてお話しする機会をいただき、
学会に参加された多くの方にご傾聴いただけました。

当日は『電話応対を活用した保護者支援』のワークショップも行いました。
ワークショップの様子はこちらから

皆さまおつかれさまでした。

発表内容は下記より動画視聴可能です。


来年の第34回外来小児科学会は高松(香川)で開催を予定されています。
この機会に#8000事業にて収集したデータを活用して、学会発表を希望される方は事務局までご連絡ください。