【背景・目的】2018度大阪府#8000には58,694件(1日平均160.8件)の相談が寄せられ、新生児に関する相談は772件(4.6%)である。
新生児期の相談は育児相談に分類される内容が主で、相談件数は2017年度81件、2018年度155件と倍増している。そこで新生児についての相談内容を分析し、保護者の不安の要因を明らかにし、より有用な電話相談となるよう対応する相談員のスキル向上を検討することを目的に本研究を実施した。
【研究方法】2018年度大阪府小児救急電話相談#8000への新生児の育児相談の内容について音声データ(148件)を週数別に分析した。
【倫理的配慮】相談内容の録音については大阪府#8000事業を紹介する「大阪府保健医療室医療対策課」Webページで提示されている。データの使用は大阪府小児救急電話相談運営委員会の承認を得ると共にNPO法人小児救急医療サポートネットワークのHP上でオプトアウトを実施した。
【結果】生後1週までの新生児の相談内容は「37.5度前後の体温」「呼吸が変ではないか」、生後2週では「首を反らして抱っこしてしまった」「ずっと寝ている」「ミルクの量」、生後3週では「ミルクを噴水状に吐いた」、生後4週では「おなかが張っている」との相談が多かった。相談員は夜間救急への受診の必要性の判断について返答することが多いが、新生児帯下など新生児期特有の知識や噴水状の嘔吐のワードから懸念される幽門狭窄を想定した情報の確認と対話が不十分であった。
【考察】新生児を養育する保護者は、日々変化する子どもの様子に異常ではないかと戸惑いながら自身の育児に不安をもち#8000へ相談している。
#8000事業の認知が広がり活用に繋がっていることは、育児不安から情緒不安定や育児放棄(虐待)に陥る保護者を救う手立てとなりうる。
しかし#8000事業を利用する保護者のニーズは、適切な受診と育児支援と幅広く、新生児期の子どもをもつ保護者の困りごとや不安に十分に寄り添い対応するには専門的な知識と時間が必要である。
大阪府#8000では電話相談員の研修会に新生児期についての講義を開催するともに小児救急電話相談テキストの改定を検討している。また#8000事業だけでなく、出産した産院や助産師会とも連携し新生児期の育児相談に対応できるような体制となることが望ましい。
コロナ関連の相談は、0歳が少なく、年齢の高い子どもかラの相談も多い。
症状は発熱が半数以上。外傷・育児相談などは、感染を心配して受診をためらうなどの相談である。
コロナ感染関連は、翌日受診が多く、即受診は少ない。
119番は、感染の心配による相談で、コロナの症状ではない。
症状の相談は全体の件数と同じ動き。
感染を心配して受診をためらう相談は4・5月に多く、7月は受診先を探す相談が増加11月以後は身近な感染者や濃厚接触者の相談・坐薬の相談が増加。
2020年3月以後激減10月11月は回復、12月以後再度減少。
2020年~2021年は感染症流行期の発熱の相談減。
感染症症状は半減以下、外傷系はほぼ同じ。
2020年度は受診歴のある相談件数の%が減少。
最も受診歴の低い5月における昨年度との比較受診歴ありの相談では、発熱の相談件数はほぼ同じだが、受診歴なしでは発熱の相談件数は少なく、受診控えというより感染症患者の減少と考えられる。
一度は中止となった研究会でしたが、相談員さんからの熱望を受けて、会場の人数制限やZOOMでの対応を行い開催することができました。
とても分かりやすい講義の内容を記録した動画を公開いたしますので、ぜひご活用ください。
初の試みでZOOMを使って、研修会場と各自パソコンで遠隔研修会を開催しました。
講義の内容を記録した動画です。見逃した方やおさらいしたい方などご覧ください。
※ランダムで相談員さんのお顔がワイプに表示されています。削除することが不可能な為、このまま使用することをご了承ください。なお、動画の閲覧は当会員のみの制限をしております。